はじめてのMYOG 01.パスポートケース編

念願のミシンを購入したので、まっすぐ縫えることだけ確認して、早速制作開始。

第1弾はパスポートケース。なお、裁縫の基本的な知識は一切持ち合わせてなく、また特に調べてもいない。やってみれば課題も見えてくるだろう、ということで手元にあった既製品のパスポートケースを見様見真似で再現。

 



課題

  1. まっすぐカットできない(そもそも型紙とかいうやつ必要なの?)
  2. 縫いはじめってどこからスタートさせればいい?(針がどこに落ちてくるかわからない)
  3. カットした布端の処理
  4. 糸の始末(縫いはじめと縫い終わりの糸がうじゃうじゃとなる現象)
  5. 生地が重なり厚くなる部分(左側カードポケット)の縫い方
  6. あと多分、糸と針も必要に応じて(縫いたいものに応じて)換える必要がありそう。

 

次回、課題の答え合わせ。

靴が見つからないのvol.02

vol.01で書いたように、未来のマイ定番を、白くて、ソールはフラット、キャンバス素材、定番商品、価格が手頃というキーワードで探してみたい。

 

候補1 Spring CourtのG2 CANVAS

白いテニスシューズと聞いて真っ先に思い出したのは、スプリングコートのG2キャンバス。ジョンレノンが愛した靴という枕詞があまりにも有名(?)だが、特にビートルズファンでもないので贔屓はしない。

今まで全然気にしたことがなかったのだが、ソールの側面に穴が空いている。これは空気穴で、蒸れを軽減する効果があるらしい。本当ならすごい。条件的にもかなりありなんじゃないだろうか。ただしあまりにシンプルすぎて、即座に飽きる可能性も考慮しなければならない。

 

ベルクロモデルも検討の余地あり

 

候補2 NOVESTAのSTAR MASTER

マイ定番とかいうめんどくさいことを考え出す前からあるセレクトショップのサイトで見かけて気になっていたのだが、周りで買える場所がなく、購入には至っていない。流行まではいかなかったけど、何年か前にメイド・イン・スロヴァキアということでちょっと話題になっていた気がする。おっとりしていて気の利いたことは言えないが、どことなくほっとけない、そんなキャラクターを彷彿とさせる見た目である。デニムなんかに合わせる場合はそっけなさすぎるかとも思うが、アウトソールの格子柄がいいアクセントになるかもしれない。

そんなにイケてないのに、なんとなくみんなの輪の中にいるやつ

 

候補3 CONVERSEのLEATHER ALL STAR COUPE OX


このスニーカー、なんとオールソールができる。ときどき私の中のサスティナブルおじさんが顔を出して、「長く使えるものを買え」とささやく。本当にサスティナブルを指向するなら、今ある靴をボロボロに擦り切れるまで履くだろうが。ところで難点は、キャンバス素材がないこと。レザーしか選べない。いやしかしレザーで15000円?破格だ・・・。別にゴシゴシ洗わなくたって、レザーシューズとして手入れすればいいじゃないかという気持ちにならなくもない。

最近発売された、厚いソール版もありかも

 

候補4 IN USE(Moonstar)のバスケット

Moonstarって、体育館シューズ以外で関わったことがなかったのだが、2022年12月の商店建築で、自由が丘店の店舗紹介をみてから気になってはいた。みた感じ、ノヴェスタよりもスマートな印象。もう少し幅広でもいいかもしれない。メイドインジャパンにも関わらず、値段は一気にノヴェスタの半額。驚くべきことにVansのオーセンティックの定価も同額(当然原産国は東南アジア)。オーセンティックは、5、6年前は3000円以下で販売されていた印象があるので、二重の意味で驚いた。

 

候補5 無印良品の疲れにくいスニーカー

 

挙げておいてなんなのだが、全然気が進まない。見た目はスプリングコートと似ているし、価格はムーンスターのさらに半額のアンダー3000円。しかしこれは完全に相性の問題で、私個人の意見であることを前置きしておくが、無印良品の商品を見ていると、都会の水道水を飲まされているみたいな気分になる。見た目はボルビックやいろはすと変わらない。透き通っている。別に飲めなくはない、身体に害はない、しかしおいしくはない・・・私は無印良品に勝手に何度も期待して、裏切られてきているのだ。いやしかし、このスニーカーが何度目の正直となるか。

 

つづく・・

靴が見つからないのvol.01

私に合う靴が見つからないの。お気に入りの靴が見つからないの。そう思い続けて、早幾年。マイ定番シューズが欲しい。別に私はミニマリストではないし、雑誌の特集的「俺の定番」を作りたいわけでもない。単にスペースの問題なのだ。いつか大きな下駄箱がおける家に住めるようになったら、その時は毎朝違う靴を選ぶのもいい。でも現実は、手作りした矮小空間に、汚れた靴を詰め込んでいる(履かれない靴たちはクローゼットの隅に積み上がっている)。そして何も考えずに、部屋の鍵やスマホをポケットに入れるみたいに、いつも決まった靴を手に取る。

2023年10月現在の私の下駄箱。スタメンのスタンスミスに運動靴のNB990、ごくたまにスタンスミスと入れ替わる代打的存在NB550。ブランドストーンのサイドゴアは長靴的に、雪道などのオフロードで活用。まあそんな環境はほとんどないのだが(つまりほぼ履いてない)。あとはビーサン。

 

2023年現在、この役割はアディダスのスタンスミスが担っている。5年くらい前、ノームコアとか似非ミニマリズムが流行った時、おしゃれな人はスタンスミスを履いていたような記憶があるが、そういえば最近はめっきり見なくなって、ようやく本来の位置に落ち着き直したような印象である。私の場合は、2022年に私服可の職場に転職した際、無難な白スニーカーを求めてスタンスミスに行き着いた。消去法、というか、思いつく選択肢がほとんどなく、仕方なしに購入したモノだが、なんとなく毎日職場に履いていくうちに、これまたなんとなく2022年までの約10年間履き続けたVANSのERAに引導を渡すことになった。つまりお気に入りでもなんでもないのだが、個人的にはこのなんとなくという感覚で履けるモノこそマイ定番シューズにはふさわしいと思っている。日常の足としてトヨタ・カローラに乗るみたいに、近所のスーパーマーケットで買った千円の雪平なべで毎日味噌汁を作るように、使う時に限りなく自意識が削ぎ落とされたものが欲しい。「なんとなく」たりうる条件を言語化してみよう。一つ目はまず、いつでも、どこでも手に入ること。インターネットで手に入ればいいが、食料品の買い物のついでに近所の店で手に入れられるようなものだともっといい。二つ目は、価格が手頃であること。どんなに高くても1万円は超えてはいけない。三つ目は、手入れがしやすいこと。つまり、水と洗剤でゴシゴシ洗えて、乾きやすいこと。さて、この観点からいえば、暫定的マイ定番のスタンスミスは、落第である。どこにでも手に入るが、価格が1万円以上するし、人工レザーの生地は風通しが悪く、乾くのにかなりの時間がかかる。そして、こういった条件面を無視したとして、何よりも私の気に入らないのである(嫌いなわけではない。飲み会には行けるが、一緒に旅行には行けない、くらいの距離感。裏返せば、親友ではないが、旅行も楽しめるくらいの距離感の靴を求めている)。これがなんとなくの難しいところで、なんとなくとは「これというポイントを挙げることはできないが気に入っている」と、「特に不満はないのだが気に入らない」の間を、どちらにも振れるとも振れない絶妙なところに生息しているものなのだ。先代の定番ヴァンズ・エラは、条件はどれも完璧にクリアしたものの、結局後者に振れてしまった。

 

ところで、スタンスミスを履いてみて感じたのが、白いテニスシューズ(正確にはテニスシューズ型)の驚くべき汎用性だ。みんなこの汎用性のベネフィットを大昔から享受してきたのだろうが、私はごく最近知った。どんなパンツにも合う。少なくとも私が持っている全てのパンツとマッチする。シューズとパンツが決まれば、あとは一次方程式みたいにトップスは自ずと決まるといっても過言ではない。それほどにシューズとパンツの組み合わせは重要である。だから、必要条件に「白いテニスシューズ」を加えるのもありである。そうして新しい条件を整理すると、白くてソールがフラットなシューズかつ、手入れしやすい素材で(基本はコットン)、世間的にみても定番品で(なくならない)、あわよくば安い(昨今の物価高を考えるとやや諦めてもいる)。こんな感じだろうか。

 

つづく・・

読書ログvol.01 セルフビルドの世界

2010年前後に、個人的なDIYブームがあった。実家を出て地方の大学に行く時、仕送りの金額から少しでも手残りを増やそうと、風呂共同のボロアパートの一室を借りることにした。当番制の風呂掃除が面倒になり、1年ちょっとでそこを出て、今度は風呂付きの、もう少しマシなアパートを借りたのだが、そこは大学からかなり離れた、ほとんど山のふもとにあった。これがこの後少しばかり問題を引き起こすのだが、いいこともあった。それは、周りに住人が少なかったことである。私が借りた部屋は、一人暮らし用の1Kだったが、隣の部屋は、家族が暮らすことを想定した広い部屋で、長い間借り手がついていなかった。通学に時間がかかる不便な場所に、当然学生は住んでおらず、他の部屋の住人も社会人ばかりだったようだから、講義のない日の昼間に家にいるときなどは、本当に静かだった。この新しい城には、最初何もなかった。風呂共同アパートには、クオリティはともかく、生活に必要なものは全て揃っていた。自分で用意したものは炊飯器くらいだったので、冷蔵庫も、洗濯機も、服や雑貨を入れる棚なんかも全て一から用意することになり、ここで初めてインテリア、もしくは家具というものに興味を持つことになった。当時の私の主たる情報源は雑誌だったが、学生ゆえの金の無さもあって、名作家具とかデザイナーズインテリアに関する記事よりも、名もなき個人の、手垢まみれの「お部屋紹介」風の特集に興味を惹かれることが多かった。すぐに私も真似をして、スケートボードデッキでサイドテーブルを作ったり、カラーボックスでテレビボードを作ったりした。壁の薄い学生アパートなら、電動ドリルの音や釘を打つ音に苦情も入っただろうが、隣人のいない環境が幸いした。DIYされたものたちは、大学卒業と同時に全て処分され、私は既製品を好むようになった。

 

その後しばらくDIYのことは忘れていたが、2017年に東京近代美術館(「日本の家 1945年以降の建築と暮らし」展を見に行った)のスーベニアショップで、この「セルフビルドの世界」に出会う。セルフビルドとは少量多品種型生活の一つであり、日々の生活の中の自己表現だといっている。DIYやMYOGなどの「自分でやってみる」という行為を含む、思想のようなものだと理解している。私たちが普段、工夫と呼ぶもののいくつかは、セルフビルドなのかもしれない。筆者はアポロ13号の生還をセルフビルドの象徴的出来事と呼び、世界的建築家の書斎的セルフビルド(もしくはセルフビルド的書斎)や、文字通りの0円ハウスを作り上げた猛者の取材記録を書いた。建築家の文章は難解なイメージがつきまとうが、この本は非常にわかりやすく、また筆者の自前の言葉が新鮮な印象を与えている。いうまでもなく、読了後第2次DIYブームが到来する。

 

さて、2年前に新居に移って以降ここまで、3回目のDIYブームが続いている。パンデミックで手頃な家具が手に入らなかったので、下駄箱、本棚、テレビボードなどを製作し、今後はキッチンに取り組みたいと思っている。新しいモノが欲しいわけではないのだが、セルフビルドの視点から部屋を眺めてみると、まだまだ改良の余地があるのだ。

改めてこの本を読んでみると、開放系技術という考えが紹介されている。意味は、「自分、あるいは個人でできることをなるべく拡げていきましょう」。

なんとなく、今私がやりたいと感じていることは、ここにあるのではないかと思った。つまり、そこに特別な、例えば、金を節約するためとか、SNSでイイねをもらうといった目的はない。自己表現と呼ぶのは小っ恥ずかしいが、自分でやってみることは手段であり、目的でもある。

 

世間はインフレまっただ中、生きづらさが叫ばれるが、金はなくても家は建つと言い切るこの本がなにかの参考になるかもしれない。

Stevenson Overallのブラックパンツ

Stevenson Overallのウエスタン風パンツ

 

朝食を食べながら、ヴァージンギャラクティックの打ち上げのライブニュースを見ていた。ヴァージンギャラクティックにとって、これは初の民間人を乗せた宇宙旅行だったらしい。

宇宙空間や外から見た地球、それに宇宙船(見た目はほとんど飛行機だったが)内部の様子は、合成か、スタジオで撮られた映像のようで、映画で見るそれの方によっぽどリアリティを感じてしまう。1時間ちょっとの旅行に何千万という大金を払うなんて、庶民にとっては全く現実味のない話なんだから、当然と言えば当然かもしれない。

それよりも、一般搭乗者(今回は3名の一般人が搭乗した)の80歳の男性が、2005年にチケットを購入し、18年もの時を経てようやく宇宙旅行を実現させたというエピソードのほうが気になってしまった。そんなに長い間、何かを待ち焦がれたことも、追いかけ続けた経験も僕にはない。じっくり待つ、コツコツやり続ける、みたいなことがとにかく苦手なのだ。

 

Stevenson Overallのブラックパンツを購入したのは、12年前くらいだと記憶している。この頃は、個人的に特にファッションが楽しかった時期で、色々手を出したのだが、今も手元に残っているものは多くない。このパンツは、買ってからの数ヶ月を除けば、取り立ててよく履いたわけではない。いやむしろここ数年は、ほとんど履いてない。しかし、幾度とない飽きという名の粛清や、資金難による売却にも、なぜか耐えてこられたという事実は、結構興味深い。この、「使用頻度高い(お気に入り)」でも「セカンドバリューがある、もしくは手に入りづらい(僕の場合これに該当するものはほぼない)」でもない、「なんとなく手放せない」理由を言語化したいといつも思っているのだが、なかなかうまくいかない。しかしこういったものは経験上、ある時期に突然輝きを増してくる...今まさに。

 

コード織の表地と、しっとりとしたテンセルの裏地

 

剣先型のベルトループ。ウエストバンドはなし

 

ひし形のスナップボタン

 

これらのディティールの一方で、シルエットは弱テーパードで履きやすい。黒いパンツはのっぺりしてしまい、意外と合わせづらい印象があるが、縦畝の生地のおかげで表情が生まれている。シンプルに夏はTシャツ、寒くなってきたらパーカーとかカーディガンを合わせたい(理想はホアキンフェニックスのファッション)。

6年後、このズボンを履いているのか、楽しみではある。

Taiga Takahashiのデニムジャケット

Taiga Takahashiのデニムジャケット

 

韓国ドラマ「キングザランド」が終わってしまった。大多数の人と同じように、梨泰院クラスとか、愛の不時着から韓国の連続ドラマにハマり、ネットフリックスでドラマラソン継続中。復讐物か、恋愛物、時々コメディ。今回のキングザランドは恋愛物。韓国ドラマって「型」の再現度がめちゃくちゃ高いと思う。例えば恋愛ものの一つの型として、財閥の御曹司と平凡な家庭出身の女性の恋がある。暮らす世界が違うから、当然最初はうまくいかない。御曹司は、自分にはないものを女性の中に見つけ、アプローチしていく。女性は戸惑いながらもそれを受け入れる。身分の違う恋の前途は多難。それをささえる友人たちとの絆。小気味のいい効果音と、そして、イチャイチャという名のスパイスで、全体のムードをコントロールする。仕上がりを決めるのはやはりストーリーだが、ベースとなるスパイスを受け入れられるかどうかが、この手の韓国ドラマを楽しめるひとつの基準となる様な気がする。隠れていちゃつく二人を見ながら、「バカだねえ」と言いながら、隣で見ている妻の顔も、同じ場面でにやけている。キムタクは、何を演じてもキムタクだと揶揄されることがあるが、個人的にはそうは思わない。いや、もしかしたら何を演じてもキムタクなのかもしれないが、言い換えればキムタクという「型」の再現度が高いとも言える。そしてその型をおさえながら、スパイスを効かしていく脚本が、みんなを魅了したんじゃないだろうか。

 

このデニムジャケットを初めて見た時、日本的なものを感じたのを覚えている。日本的なものって?と聞かれると回答に困るのだが、なんとなくそう感じたのだ・・。もしかしたらそれは、フロントのプリーツのためかもしれないし、スナップボタンの刻印がそう思わせたのかもしれない・・・しかしそれらは全て間違いで、これらのディティールが、1950年代のワークジャケットからきたものだと公式サイトにきちんと書かれている。

モデルとなったジャケットをみると、このデニムジャケットが忠実に「型」を再現していることがわかる。すでに70年も前の服が、なぜこんなにも新鮮なのか。型自体の強さももちろんのこと、型の再現力(そして素人目には見えない細部の調整)がこの新鮮さを生み出したのでしょう。

 

このジャケットを着る時、ぼくは襟付きのシャツをきて、ネクタイを締める。細身のスラックスを履き、革靴を履く。鞄は持たない・・・すみません、こんな着方はしたことがありません。しかし、だらしない格好(つまり自分の普段着)に合わせると、なんだか後ろめたさのようなものを感じてしまうのだ。

 

米国生まれ(綿が)、岡山育ちのオリジナル生地と、アールデコ調の飾りがついたスナップボタン。

 

2本針のシンチバック。

 

アメリカベースの服なのに、タグの表記はイギリス英語。 colorではなく、colourと書かれている。

この服を着て出かけると、結構な確率で声をかけられる。1度なんかは、脱いでみせてくれと言われて、あちこちを点検した後、「見た目はすごく構築的なのに、触ってみるとなんて軽やかなんだ」という高度なコメントを残した人もいる。そしておもしろいことに、ほとんどみんなが、「それって日本のブランドでしょう?」というのだ。僕の拙い英語力では、何故そう感じたのか深く聞くことはできなかったが、もしかすると日本人タカハシタイガの美意識のようなものを感じ取ったのかもしれない。

夏休み2023

夏休みである。夏休みはできるだけ何もせず、クーラーの効いた部屋で溜め込んだドラマや映画をみる…というのが、個人的には夏休みの理想的な過ごし方なのだが、大人になってからはそうはいかない。夏休みを有効に活用しようとして、余計に疲弊する。今年の夏休みは、4泊5日の旅行で疲労を蓄積することになった。

 

今回の目的地は、ワイオミング州にあるイエローストーンとグランドティトンである。イエローストーンは世界で最初の国立公園ということで、名実ともにかなり多くの人に親しまれているが、グランドティトンはそのオマケという印象がある(そうではないことが後で判明する)。よって僕らの旅程も、2日間をイエローストーンにあて、1日をグランドティトンで過ごすプランにした。といってもフライトやホテルを予約したのはかなり前のことで(コンファメーションを確認すると去年の10月だった)、どうしてこの予定にしたのかはまったく記憶にない。おまけに予習もしないので、この二つの公園には何があるんだっけ?という認識で、目的地の空港に降り立つことになった。

 

1日目 出発〜ジャクソン

朝6時のデルタ便で最寄りの空港からソルトレイクまで飛んで、そこからジャクソンホール空港行きの飛行機に乗り換える。ジャクソンホール空港は、アメリカで唯一国立公園内に作られたこぢんまりした空港である。ゲートとも呼べないような簡素な柵を抜けると、観光業者が旅行客の名前を書いたプレートを持って並んでいる。レンタカーカウンターで鍵を受け取って、建物をでると正面にはレンタカーがずらりと並んでおり、大量の車の中から車種と鍵の動作音を頼りに自分の車を探すことになる。白のカローラに乗り込み、ここからまずジャクソンという街に南下する。国立公園内部というだけあって、山と草原の風景がどこまでも続いていおり、まるでどこかの離島にきたように感じられる。本当にこんな場所に街があるんだろうか?と思っていたが、ちゃんとあった。

  • あとで知ったことだが、ジャクソンにはかなり良質な雪が積もるスキー場があり、全米でも屈指のリゾート地なんだという。そこらじゅうに部屋の空き状況を示す看板がぶら下がっていた。
  • 割と新しめのモーテルに宿泊。値段が500ドルもしたが、キッチン付き・リビングと寝室も別室とかなり快適で、満足度は高かった。
  • Whole Foods Marketで、材料を買ってパスタを作って食べた。ブラッドピット主演のゾンビ映画を見ながら寝落ちした。
  • 別に誰も悪くないのだが、ソルトレイク初のデルタ便にはいい思い出がない。2年前のフロリダからの帰りには、散々待った挙句に結局飛行機が飛ばず1泊する羽目になったし、今回も定刻通り乗り込んだが機材トラブルで全員降機(降機って言葉使ったことがないけど)。

 

2〜3日目 イエローストーン国立公園

イエローストーンは、ハイキングをしないライトな観光客にとっては、間欠泉(温泉)と動物を楽しむ公園と言っていいと思う。公園内には8の字に道路が走っており、それぞれ一周するだけでも4時間くらいかかる。ジャクソンから最も近い公園の入り口は8の字の右下にあり、僕たちのとった宿は左下にあったので、1日目は南側のルートを反時計回りに移動して夕方チェックインし、2日目に北側を回ることにした。間欠泉と温泉は至る所にあって、色や透明度、大きさの違いを楽しむ。3つほど回ったあたりで、違いがわからなくなってくる。

  • 世界最古のログハウス・オールドフェイスフルインに宿泊。外内装ともにクラシックでかっこいい。ロビーはとても賑やかで、映画の一場面のよう。部屋は新館の3階で、シャワー付き。室内はかなり狭かったけど、場所がいいので仕方ないですね。2階のテラスからドリンクを飲みながら間欠泉を眺めることができる。
  • バッファローは特に北側に多い。最初はその大きさに驚いたが、すぐに慣れる。他の動物は、鹿を1匹見かけただけで、エルクにもクマにも遭遇しなかった。
  • 双眼鏡を持っていくべきだった。双眼鏡があればオオカミを見ることもできたらしい。

 

4日目 グランドティトン国立公園

ティトンは、フランス語で「胸」の意味。ロッキー山脈と、周辺の水辺の対比は本当にきれい。イエローストーンのビジターセンターでは、レンジャー(園内の係員のこと。ビジターセンターでどう回ったらいいかを教えてくれる)が地図のほとんどのポイントに丸をつけたのと対照的に、こちらはかなりシンプルで、あらかじめ10ヶ所のポイントが決まっている。回っている途中に、どうやらアクティビティを楽しむ公園なのかも知れないと気が付く。ジェネラルストアには、キャンプ道具や食材がかなり充実していたし、湖畔や川にはボートに乗っている人の姿も。綺麗な水辺でボートに乗るのは本当に気持ちよさそうだった。

  • イエローストーンのように、どこにいっても人だらけ、ということがない。グランドティトンには、僕たちのように一泊、ないしはイエローストーンのついでに半日立ち寄るだけ、という人も多いのだろうが、本当はゆっくりと腰を据えて楽しむところなのだと思った。
  • ジャクソンレイクロッジに宿泊。実はあまり期待していなかったmountain viewの部屋だが、これが素晴らしかった。園内の山が一望できる。予算に余裕があれば、ここに泊まった方がいいと思う。
  • レストランやラウンジでも、素晴らしい景色を見ながら食事ができる。バーでRoast Beef Saladを頼んだつもりが、Roast Beet Saladだった。ややこしい。たいたい、ビーツをローストする意味ってあるんでしょうか?ハックルベリーソースで和えてあって、味は美味しかった。
  • お土産屋が4店舗もあり、驚きの充実度。

 

5日目 ふたたびジャクソン~帰宅

久しぶりに朝はゆっくりして、11時にロッジをチェックアウトする。飛行機は17時なので、一度ジャクソンへ戻る。1日目はほとんど出歩かなかったので気が付かなかったが、平日だというのにどこも混み合っていた。お土産屋でなくても、町の名前や店名の入ったTシャツやマグカップが至る所で売られていて、この光景どこかでみたなと思ったら、2年前に行ったタホだった。リゾートとか、観光地とかってどこもこんな感じなのかも。

  • 教会脇にスリフトショップ。町中のイケてる若者がここでたむろしていた。
  • 昼食はカフェ・ジャクソンドラッグでビールとハンバーガー。薬局のような名前のこの店にも、もちろんオリジナルグッズが並んでいた。
  • 帰りの飛行機は予定通り飛んで、AM1時頃帰宅。

 

おみやげ

国立公園ならどこにでもあるバンダナ。他の公園はデザインがパッとしなかったり、ポリエステル混だったりしてあまり買う気がしなかったのだが、これはHAVAHANK製。五色買い。YELLOWSTONEの文字がなければもっと良かった。

琺瑯のマグ。ポッドキャスト「テングラヂオ」に触発されて。わざとコーヒーを冷まして、直火にかけてます。

ジャクソンのアウトドア店「Teton Mountaineering」のオリジナルロンT。ボディはHanes BEEFY。ちなみにかなり大きな店だったが、ショップスタッフ5人、地元のキッズが3人(ジャグリングで遊んでいて買う気はなさそうだった)、客は我々2人で少し経営が心配になった。